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■中島線
中島鉄道中島線(起点:樽野谷~終点:節川 総距離83.0km)は、樽野谷電鉄線の主要駅であり中心駅でもある樽野谷から、全国屈指の港町・温泉街である節川を結ぶ路線です。2021年に開業する彩花線(起点:稲崎~終点:彩花中央 総距離7.8km)と共に、一体的には「中島線」として扱われます。
鶴岡公園で風町鉄道線に、新一ノ橋で笹森地下鉄線に、一ノ橋で国鉄線ときい鉄道線に、樽野谷で国鉄線、樽野谷電鉄線ときい鉄道線に乗り換えができます。この内鶴岡公園から風町鉄道線に普通列車が毎時4本、樽野谷から樽野谷電鉄線に普通列車が毎時3本、同じくきい鉄道線に急行列車が毎時3本、快速列車が毎時3本乗り入れています。
軌間は1067mm、電圧は直流1500v、車体は樽野谷電鉄線へ乗り入れることを前提としているため、18m車体となっています。特に、坂野~節川間は急カーブが連続し時速50km/h以下で走行しなければならず、20m車体だと走行できません。しかし、例外的に2020年から運行が開始される、樽野谷~風町間を結ぶSL列車では、きい鉄道所有の20m級の客車5両+機関車が乗り入れします。
現在所有している車両は、全車両が他社からの譲受車両で、地方私鉄で見られる典型的な形になっています。
その中でも、日本国内では中島鉄道・樽野谷電鉄以外では全て引退した、元東急5000系[I]・青ガエルが現役で走っているのが中島鉄道の特徴です。
主に普通列車は2~5両編成、急行・快速列車は6両編成、平日限定ながら通勤快速は7両編成で運転します。特急列車は基本的に3両を2編成連結した6両で運転されます。
路線は樽電の第二のターミナルとして栄える樽野谷電鉄樽野谷駅から始まり、駅を出た先の右側には中島線に続く単線の線路があります。それが数百メートルと続くと、左から2020年に直通運転を開始したきい鉄道線からの線路が合流し、上り線(磯城方面)の線路をオーバークロスし、今まで走った線路が上下線に合流しそこから複線になります。一ノ橋駅まで4kmほどあり、中島線内最長駅間となるため、普通列車でも100km/h近く飛ばします。左右に市街地が見え、右から国鉄線の線路が近づくと中島線の拠点駅である一ノ橋駅に着きます。
一ノ橋を過ぎると、しばらく丘陵地帯を走り、切通しや短距離トンネルが鶴岡公園まで続きます。2020年開業の笹森地下鉄線との乗換駅の新一ノ橋、酒蔵で有名な南針塚、市立公園が近くにあり退避可能な咲台と続き、左から風町鉄道と鶴岡車両区の線路が合流すると鶴岡公園駅です。ここから先は風町鉄道が稲崎まで直通運転をするため、日中時間帯は普通列車の大半の本数を担う他、ラッシュ時には区間列車も走るため本数が非常に多く、沿線の住宅は人気となっています。
2005年に特急停車駅に昇格した晴町駅や、市役所機能が集約された鶴岡市の中心地の総合センター駅周辺は特に人気があります。桝沢からは再び一部地下区間があり、半地下駅の倉林、中島線唯一の地下駅である新中島を過ぎると一気に急こう配を駆け上がり、正面にあるやや大きなビルの2階には主要駅である中島駅があります。中島から先は過去に路面電車として建設された経緯から、この先の川島駅までの間、片側2車線の道路の上に高架線路がある構造となっています。
藤木駅の手前で地平に降り、車両基地併設駅の稲崎駅に到着します。川村駅から単線区間が存在するため、稲崎を境に列車本数は大きく減ります。
亀崎本郷から匙川の間は近年の増発により複線化された区間となっていますが、それ以外の区間はずっと単線となっています。やがて古い町並みも増え、坂野駅に着きます。
ここから先はホームが短い関係で、普通列車は2両までとなり、普通列車は大半がここで折り返します。50km/h制限がある急カーブをしばらく抜け、無人駅である組原、北節川を過ぎると、全国屈指の港町・温泉街である節川駅に到着します。
1911年に、前身となる中島電気軌道社が発足、2年後に中島~稲崎間の通称"市内電車"を当時路面電車で開通させました。1925年には中島~鶴岡公園間を鉄道線で開通させ、同時に1918年に開業していた風町鉄道と相互直通運転も開始しました。
所変わって南部では温泉水輸送のため1931年に節川温泉鉄道(現在の節川~坂野)が開通、1935年に坂野~稲崎間が開通しました。また同時に、鶴岡公園から1私鉄と1国鉄線が乗り入れて栄えている街、樽野谷へも路線を伸ばし、現在の中島線が全通しました。
1940年から樽野谷電鉄線とも相互直通運転を開始し、2回の乗り換えが必要ながら、観光都市・善光寺から県内屈指の港町・節川を結びました。
1943年に戦前の会社整理を関係鉄道各社で行い、稲崎市でバス事業を展開する稲崎自動車、中島電気軌道、晴町交通・節川温泉鉄道・川島輸送を合併し会社上の中島鉄道が1943年に誕生、同時に風町鉄道から鉄道事業譲渡しました。しかし1年後の1944年(以下1944事件と言う)に、中島市から中島~稲崎間の軌道事業買収を受けたことにより、すでに発展していた中島市に線路を通すことが難しくなり、樽野谷~節川間直結の夢は無くなるのかと思われました。唯一の稼ぎ頭であった市内電車を失い、その上不況による風町鉄道の経営が悪化したことにより1950年に風町鉄道へ鉄道事業を譲渡しました。
数十年程度のブランクを抱え時は1968年、モータリゼーションの進展に伴い、廃止が進行していた東京都電と共に中島市電も廃止の危機にさらされることになります。南北直通を狙っていた中島鉄道も黙ってはいませんでした。中島市に打診したところ、中島市中心部の再開発事業に参加することと、当時の不況の影響等から総工事費の4分の3を負担する等の条件を提示されました。費用的な問題もありましたが、中島鉄道ではそれを受け入れて2年の工期と総資金の3分の2を使い、市電跡上に高架線路を建設し、途中5駅(内退避駅2駅)を設け利便性を重視して再建設し、ついに1970年、念願の南北直結が実現しました。
当時から節川~善光寺間を結ぶ特急列車の運転も行い、経営も軌道に乗り危機は回避しました。また、同時期に発生したオイルショックにより、廃止の危機にあった中島市電南北直結の波に乗り経営は回復しました。
1980年に中島市電の乗客数減少により、市電の業務が中島鉄道に引き継がれ、中島鉄道と一体で運営しています。同時期から廃止の要因であった道路混雑による遅延の増大を避けるため、一部区間において専用軌道の敷設や立体交差などの改良を行い、廃止の危機は免れています(中島駅前等の構造上不可能な場所では併用軌道ではあるが、路面電車専用レーンとしている)。
2020年からはきい鉄道線との相互直通運転の開始、2021年には彩花ニュータウンの開発に伴う彩花線の開通など、これからも進化を続けていく予定です。
◆路線データ
起点:樽野谷
終点:節川
総距離 83.0km
複線区間:きい鉄道樽野谷~川村、亀崎本郷~匙川
単線区間:川村~亀崎本郷、匙川~節川
電圧:直流1500v
軌間:1067mm
■彩花線
中島鉄道彩花線(起点:稲崎~終点:彩花中央 総距離7.8km)は、先述の中島線と一体的に扱われますが、ここでは稲崎~彩花中央間の彩花線を紹介します。
稲崎駅の折り返しの制約上折り返しの本数を増やせないことから、ニュータウン開発計画の一環として彩花線を計画、商業・工業・娯楽施設を誘致し利用者増に繋げようと、稲崎駅で折り返す列車の一部を延長する形で彩花線の列車が設定され、2021年3月に開業しました。日中は1時間7本、朝ラッシュ時も1時間8本(2022年ダイヤ改正からは、12本)と本数が多く、大変便利な路線になる予想です。
◆路線データ
起点:稲崎
終点:彩花中央
総距離 7.8km
複線区間:全線
電圧:直流1500v
軌間:1067mm
■中島市内線
中島鉄道中島市内線(本線起点:上茶屋~終点:千羽園、支線起点:本町駅前~八萩 総延長9.3km)は、中島市の鉄道事業廃止に伴い、1980年に中島鉄道に売却された路線です。
路線自体は中島市が1910年に上茶屋~新中島駅前間が、1912年に本町駅前~千羽園間が、1915年に中島駅前~八萩間が、1920年に新中島駅前~中島駅前がそれぞれ開通しました。開業当初は馬車鉄道であったため、軌間は1372mmとされましたが、1920年頃に電車化されています。1940年頃から国内で戦争がありましたが、中島地域全体の戦災は免れました。戦争中は不要不急路線とされ、鉄の売却を目的として一部が単線化(敷地は引き続き確保)し、1945年の終戦時には、全28両あった車両の内、国内各地の路面電車事業者に、21両を売却し戦災からの復興の手助けをすることとしました。しかし、それが仇になったこともあり利便性が低下。1970年代になると乗客減により赤字を抱えるようになりました。
1980年についに中島市から中島鉄道に市内線2路線を引き継いだ直後に停留所リニューアル(中島駅前)や、構造上軌道部分を複線化できない事情等の箇所を除いた一部区間の複線化を行い、利便性を向上させましたが、車両が少ないこともあり最大限の本数(15分毎運転)で運転されています。将来的に各市電からの旧型車を譲り受け、増発を目指しています。
◆路線データ
-本線
起点:上茶屋
終点:千羽園
総距離7.9km
複線区間:上茶屋~小梅台の一部、八萩~千羽園
単線区間:小梅台~八萩
電圧:直流600v
軌間:1372mm
-支線
起点:本町駅前
終点:八萩
総距離1.4km
複線区間:なし
単線区間:全線
電圧:直流600v
軌間:1372mm
※中島鉄道線及び直通する路線は、いずれも架空の会社です。
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